第一回 : St.George Defence (1.e4 a6?!)
いかにも悪手。センター支配とは何の関係性もなさそうであり、駒の展開に資することもない。 ただ、...a6という手は、多くのオープニングで用いられるため他のオープニングに移行しやすい。例えば、シシリアンだったらほとんどのバリエーションで...a6を含むバリエーションがある。また、Modern Defenceにも1...a6のバリエーションがある。したがって、1...a6から始めてもそれらのオープニングに移行(transposition)することはできる(分岐参照)。
ただ、今回扱うのは2...b5からのメインライン(?)。
ただ、今回扱うのは2...b5からのメインライン(?)。
Bulletで何回か使ったことがあるが、感触としてはそれほど悪くない。フィアンケットしたビショップでe4にプレッシャーをかける。b5のおかげで白はNc3ではe4を守り難い(...b4とくるため)。 また、...e6とすることにより、キングサイドビショップの展開が図れる。しかし、マイナス点としては、展開があまりにも遅すぎるということだろう。ビショップをフィアンケットするためだけに、3手も使っているのは致命的。 しかし、このオープニングのラインを白番でおさえている人はほぼ皆無ということは大きな利点かもしれない。
実際、上記局面は、2...b5から始まるゲームで最も指された回数が高いラインを示しているのだが、9手目で白がいきなりブランダーをしている。 これは、やはり白は白で混乱してしまっているということだろう。 ということで、奇抜なオープニングで相手を驚かせたいというのなら、なかなか面白いオープニングかもしれない。
もっとも、このオープニングが単なる変なオープニングで終わらず、それなりに知られるようになったのはかつてのチャンピオン、アナトリー・カルポフが白番で負けてしまったことにあるようだ。
負けた後は憤死レベルで悔しかっただろう。この棋譜の詳しい解説はここを参照。
カルポフを倒したオープニングということで試してみたい人は是非。
実際、上記局面は、2...b5から始まるゲームで最も指された回数が高いラインを示しているのだが、9手目で白がいきなりブランダーをしている。 これは、やはり白は白で混乱してしまっているということだろう。 ということで、奇抜なオープニングで相手を驚かせたいというのなら、なかなか面白いオープニングかもしれない。
もっとも、このオープニングが単なる変なオープニングで終わらず、それなりに知られるようになったのはかつてのチャンピオン、アナトリー・カルポフが白番で負けてしまったことにあるようだ。
負けた後は憤死レベルで悔しかっただろう。この棋譜の詳しい解説はここを参照。
カルポフを倒したオープニングということで試してみたい人は是非。