もはや廃墟ブログ化してしまっていたこのブログだが、先日コメントをいただいたので、久しぶりに更新してみたい。
最終更新が2013年8月・・・意外と数ヶ月しか経っていないのが驚き。 最後の記事にある通り、この数ヶ月はチェスというよりはピアノの方が趣味にかける時間は多かった。 そうはいいつつもピアノも最近はぜんぜんやらず、そもそも趣味にかける時間がなくなってきている現状。
そうはいいつつもチェスを完全に辞めたというわけではなく、たまにネットで対戦はやっていた。 前みたいに本を読んだりということはあまりしなくなったけれど、たまにやる程度にはやっぱり楽しいチェス。 チェスははまりすぎると怖いけれど、ぼちぼちやるのには楽しい。 ということでぼちぼち程度には続けていこうとは思っています。
達成可能性は低いけれど、今年の目標としてはchess.comのStandardで1800、chess.comのタクティクスで2100ぐらいを目標にしたい。 むやみに時間をかけずとも、一日30分~1時間程度でも、継続することさえできれば、達成可能な気もする。
さて・・・こんな話はどうでもいいが、先日、最近発売された本を読んだ。
読んだのはPump up Your Ratingという本。チェス中毒者垂涎ものの題名。 直訳すれば「レーティングをガン上げしようぜ」的な感じか。 まあそんな胡散臭い題名の本だけれど、内容はいたって真面目。推奨されている方法も奇をてらったものではなく成功法。
スウェーデンのIM(インターナショナル・マスター)のアクセル・スミスが著者。 2時間ぐらいでざっと見た感じだけれど素晴らしい本だと思う。
チェスの上達方法論としては結構な数の本を読んだけれど、これが最も優れていると感じた。具体的で、何より、Chessbaseといったプログラムを使うことを前提として具体的な使い方、練習方法が詳細に述べられている。何も考えずにこの本に従っておけば、かなり上達しそう。
また、内容としても、Improve your chess
now, Move First Think Later,
等々今までの思考過程や上達論等の議論を踏まえた上で書かれている。 能動的な学習の強調、Chessbaseを使ったオープニングの学習方法論(これは今まで書籍としてはなかったと思う)、エンドゲームとして具体的にこれぐらい(100個)やれば完璧なんていうリストもある。 特に、自分のゲームの分析の項については、ただ
「自分のゲームを見直そう」という抽象論ではなく、ミスのリストを作って自らのミスの類型化する方法など非常に有益に思える。 実際、著者の指導の下に
GM(グランド・マスター)になっている若いプレイヤーもいるようで、効果は実証されているようだ。
全体的に合理的でオープンな姿勢が
感じられるのも良い。 今までのチェスの上達論は、ロシアが強いだけあって、「ロシアのプレイヤーならだれでも知っている・・・」「ロシアでは常識だけれ
ど、ある方法によって・・・」とか、「秘密」を開示するような姿勢が散見された。 優れている本は残しているが、ドヴォレツキーの本とかでも似たようなこ
とを感じる。そういうのはとっつきにくい。
それに対して、本書は「知識はみんなで共有しましょう」という感じで、オープンに自らのトレーニングプラン、オープニング・プレパレーション等々をどんどん開示してくれる。 また、伝統的な「とりあえずマスターのゲームをやってみましょう」
といった今までの方法を踏襲するのではなく、「より合理的で効率的でまたやっていて楽しい練習方法」をやろうという姿勢が感じられ、必ずしも伝統的な方法
に則っているわけではない。まあ、スウェーデンだからそういう風潮があるのかもしれない。
本書でとられている練習方法はIMやGMも実践している内容ではあるけれど、内容としては特段に時間と労力がかかる方法というわけでもなく、中級者でも参考になるところが多いと思う。 仮に一日に30分ぐらいしかチェスに時間をかけられないとしても、例えば本書で紹介されているようなタクティクスの学習方法(基本タクティクス問題をひたすら繰り返す)をやれば、結構レーティングは上がりそうな気がする。
かなりオススメ
2014年2月15日土曜日
2013年7月29日月曜日
Mastering ... シリーズ
最近はあまりチェスをやっていないが、CHESSBASEでたまに本を読んでいる。
EVERYMAN CHESSがCHESSBASE関連のソフトウェアで読み込み可能なEbookを販売している(CHESSBASEのソフトを持っていなくても、無料の読み込みソフトもEVERYMAN CHESSでダウンロード提供している)。棋譜と一緒にコメントが並ぶというスタイルで読める。 だから、CHESSBASEでキーボードでカチカチやるだけで本が読める。 何が便利かといえば、いちいち棋譜並べをしなくて済むという点につきる。
こんな感じになる↓(クリックで拡大)
そんなEbookをだいぶ前にいくつかダウンロード購入していたが、その中で思いの外良い本があった。Johan HellstenのMastering Opening Strategy と Mastering Chess Strategyという本だ。前者はオープニングにおけるストラテジー(イニシアティブ、展開等)の本、後者はミドルゲームにおけるストラテジーを紹介。
この両者の本が何が良いかというと、その例の豊富さ。例えば、Mastering Chess Strategyに至っては600ゲーム近く紹介している。 例えば、「チェス戦略大全」としても翻訳されている、PachmanのComplete Chess Strategyの第一巻でも130ゲーム程度。 とにかく多い。 なぜそれが可能かといえば、全ゲームを紹介するのではなく、重要な局面の図面を提示して軽くコメントしていくというスタイルだからだ。これがパソコンでカチカチ見るという見方にはちょうど当てはまる。
長々した説明とかどうでもいいから早く実戦例を見たいという人にはオススメできると思う。 また、選ばれているゲームも面白く、コメントもわかりやすい。 そんなMasteringシリーズだが、三部作目としてエンドゲームのMastering Endgame Strategyも近日発売されるようだ。楽しみ楽しみ。
EVERYMAN CHESSがCHESSBASE関連のソフトウェアで読み込み可能なEbookを販売している(CHESSBASEのソフトを持っていなくても、無料の読み込みソフトもEVERYMAN CHESSでダウンロード提供している)。棋譜と一緒にコメントが並ぶというスタイルで読める。 だから、CHESSBASEでキーボードでカチカチやるだけで本が読める。 何が便利かといえば、いちいち棋譜並べをしなくて済むという点につきる。
こんな感じになる↓(クリックで拡大)
そんなEbookをだいぶ前にいくつかダウンロード購入していたが、その中で思いの外良い本があった。Johan HellstenのMastering Opening Strategy と Mastering Chess Strategyという本だ。前者はオープニングにおけるストラテジー(イニシアティブ、展開等)の本、後者はミドルゲームにおけるストラテジーを紹介。
この両者の本が何が良いかというと、その例の豊富さ。例えば、Mastering Chess Strategyに至っては600ゲーム近く紹介している。 例えば、「チェス戦略大全」としても翻訳されている、PachmanのComplete Chess Strategyの第一巻でも130ゲーム程度。 とにかく多い。 なぜそれが可能かといえば、全ゲームを紹介するのではなく、重要な局面の図面を提示して軽くコメントしていくというスタイルだからだ。これがパソコンでカチカチ見るという見方にはちょうど当てはまる。
長々した説明とかどうでもいいから早く実戦例を見たいという人にはオススメできると思う。 また、選ばれているゲームも面白く、コメントもわかりやすい。 そんなMasteringシリーズだが、三部作目としてエンドゲームのMastering Endgame Strategyも近日発売されるようだ。楽しみ楽しみ。
2013年7月26日金曜日
How to calculate Chess Tactics読了
Valeri BeimのHow to calculate chess tactics読了。読了といっても途中から例をかなりはしょった。 総論的な感想としては自分よりもっと上級者の人を対象に書かれた本だと感じた。何より例が非常に難しいものが多い。
この本を読む人の多くが、読みについての手法やタクティクスについての思考過程を学びたいと考えているだろう。ということで、読んだことの整理を兼ねてほぼ要約の感想を書く。
"Tactics"の章と"Calculation"の二章からなっている。
1.一章 Tactics
Tacticsの章は、最初にTacticsとはなんぞやという定義論が長々と述べられる。TacticsとCombinationの違い、Combinationにおいてサクリファイスは不可欠の要素か、等々、「へー」となることが書いてある。しかし、果たして実戦上に役立つ知識かどうかはわからない。むしろ本題は後半の「Logical Analysis」の部分。
タクティクスにおいて難しいのはタクティクスの存在に気付くことだ。では、どのようにして見つけるべきかということに対するBeimの回答がこれだ。 Logical Analysisとは要するに、具体的な手を検討する前に、ポジションを構成している要素を精緻に分析するという手法だ。
具体的には、①駒数の確認②彼我のポーンストラクチャーにおける弱点の確認③最後に動的な要素(展開の具合、イニシアチブの有無等)の確認という手順を辿るべきだとする。
その上で、タクティクス(特に駒得を伴うタクティクス、メイト)が発生するためには戦略的な優位があることが前提条件にあるということを強調する。例えば、ビショップ1つがキングサイドに向いていてもタクティクスが成功する可能性は低い、しかし、クイーンとビショップ2つがキングサイドに向いていたらタクティクスが発生する可能性は高いだろう。 このように、タクティクスが発生するのは前提条件が整っている必要がある。
・・・なんてことが書いてあるが、これって既に何百回も言われていることである。特に、目新しいことではない。
Beimの言うLogical Analysisの重要性はわかる。闇雲に手を検討する前にポジションを精緻に分析すべきことの重要性は最近少しずつわかってきた気がする。しかし、上記①②③では、あまりに抽象的かつ一般的のように思われる。 もちろん、実戦ではタクティクスがあるかどうかわからない状況であるために、上記①②③のような思考過程の方がより実戦的であろうとは思う。しかし、タクティクスの本について書いてある以上、タクティクスの発生条件に特化した分析手法についてもっと掘り下げて書くべきだ。この点は不十分に感じた。
この点については、Tune Your Chess AntennaやUnderstanding Chess Tacticsの方がはるかに優れている。 両者ともBeimのいうLogical Analysisについて述べた本だということができる。いずれの本も、タクティクスの発生条件は何かというテーマで書かれた本だが、もっと具体的に書かれている。
2.二章 Calculation
Calculationは日本語だったら「読み」なのかな。とにかく、二章は読みについての章。
Alexander Kotovが"Think Like a Grandmaster"において提唱した読みについての手順を軸として書かれた章。このKotovの本は読み関連の本だと必ずと言っても登場する。 BeimはKotovの手順は不十分だと主張する。
そもそもKotovが主張した手順というのは以下のようなものだ。
1.読みを始める前に、ありうる全ての手をリストアップしなけれなばならない(候補手 candidate moves)。これによって見過ごしが防げる。
2. 1を終えたら読みを始める。どの手から検討し始めるかについては、プレイヤーの性格やポジションの性質に拠る。最も難しいラインから検討する人もいるかもしれないし、逆の人もいるだろう。
3.上記によって検討されたラインは樹形図のように示される。
4.読みをなすにあたって重要なルールとして、一度検討したラインを再度検討してはならない。
というもの。 そして第二章では、この手順では不十分だとして以下のように問題を指摘して修正する。
第一点については、Kotovは候補手をどのように探すべきか述べていないと批判。そこで、第一点は、「候補手とは、当該ポジションにおいて論理的に見える手やもっともらしく見える手を意味する」と修正すべきとする。とはいえ、「もっともらしい」という点について、経験や直感によるところが大きいとも別の箇所で述べている・・・
第二点については、候補手の1つが複雑過ぎる場合、そのラインはひとまず置いておいて別の簡単なラインから検討すべき。簡単なラインが成立しないときに限り、難しいラインを検討すべきとする。
第三点については、そもそもラインを樹形図のように考えることに実益があるのか不明であるとして、検討したラインを頭の中で樹形図のように整理することは無意味であるとする。
第四点については、各ラインについては原則として一回限りの検討を行うべき、しかし、これはあくまでも手を比較検討している段階で、実際に手を打つ前には読みに漏れがないか最終チェックすべき。また、次に述べるresulting movesの考えを利用する場合には、再度同じラインを検討することはやむを得ないとする。
第四点に関連して、”resulting move“という概念を紹介している。(なお、この点についてあたかもBeimが考えたかのように書かれているが、Improve your chess now!でTisdallが既にこの考えを紹介していたような気がする…)。resulting movesというのは、ある候補手Aを検討してその手が成立しないことを確認した場合、成立しない理由からアイデアを得て別の候補手Bで利用するというもの。
わかりにくいだろうから、例を以下に示す。(Tune your Chess Antennaからの引用例)
また、読む際に一気に最後まで読むのではなく、段階ごとにポジションの評価を加える方法、読み終わった最終局面のポジションの局面評価の重要性、いつ読みをやめるべきか等々の興味深いテーマが扱ってある。特に読みと局面評価は密接不可分であり、いくら長いラインが読めても最終的な局面の評価を加えることができなかったら意味がないということはなるほどと思った。
3.終わりに
タクティクスの章については目新しいところがなかったのは事実だがタクティクスを検討する前の局面評価の重要性の点については意識づけられた。読みについての章は、読みについての1つの手順が示されているという点では参考になった。確かに、Kotovの手順は理想的で実戦的ではない。ただ、Beimの修正も特段変わったものというものでもなく常識的なものではあるが。
結論としては、この本を読むよりも、Improve your chess now! やTune your chess Antenna、Understanding Chess Tacticsを読む方が実益はあると思う。
ということで面倒な読書も終わったので、今度はタクティクスについて考えるところ、何をしたらタクティクスが上達するか等の点について自分なりの考えを書いてみたいと思う。
この本を読む人の多くが、読みについての手法やタクティクスについての思考過程を学びたいと考えているだろう。ということで、読んだことの整理を兼ねてほぼ要約の感想を書く。
"Tactics"の章と"Calculation"の二章からなっている。
1.一章 Tactics
Tacticsの章は、最初にTacticsとはなんぞやという定義論が長々と述べられる。TacticsとCombinationの違い、Combinationにおいてサクリファイスは不可欠の要素か、等々、「へー」となることが書いてある。しかし、果たして実戦上に役立つ知識かどうかはわからない。むしろ本題は後半の「Logical Analysis」の部分。
タクティクスにおいて難しいのはタクティクスの存在に気付くことだ。では、どのようにして見つけるべきかということに対するBeimの回答がこれだ。 Logical Analysisとは要するに、具体的な手を検討する前に、ポジションを構成している要素を精緻に分析するという手法だ。
具体的には、①駒数の確認②彼我のポーンストラクチャーにおける弱点の確認③最後に動的な要素(展開の具合、イニシアチブの有無等)の確認という手順を辿るべきだとする。
その上で、タクティクス(特に駒得を伴うタクティクス、メイト)が発生するためには戦略的な優位があることが前提条件にあるということを強調する。例えば、ビショップ1つがキングサイドに向いていてもタクティクスが成功する可能性は低い、しかし、クイーンとビショップ2つがキングサイドに向いていたらタクティクスが発生する可能性は高いだろう。 このように、タクティクスが発生するのは前提条件が整っている必要がある。
・・・なんてことが書いてあるが、これって既に何百回も言われていることである。特に、目新しいことではない。
Beimの言うLogical Analysisの重要性はわかる。闇雲に手を検討する前にポジションを精緻に分析すべきことの重要性は最近少しずつわかってきた気がする。しかし、上記①②③では、あまりに抽象的かつ一般的のように思われる。 もちろん、実戦ではタクティクスがあるかどうかわからない状況であるために、上記①②③のような思考過程の方がより実戦的であろうとは思う。しかし、タクティクスの本について書いてある以上、タクティクスの発生条件に特化した分析手法についてもっと掘り下げて書くべきだ。この点は不十分に感じた。
この点については、Tune Your Chess AntennaやUnderstanding Chess Tacticsの方がはるかに優れている。 両者ともBeimのいうLogical Analysisについて述べた本だということができる。いずれの本も、タクティクスの発生条件は何かというテーマで書かれた本だが、もっと具体的に書かれている。
2.二章 Calculation
Calculationは日本語だったら「読み」なのかな。とにかく、二章は読みについての章。
Alexander Kotovが"Think Like a Grandmaster"において提唱した読みについての手順を軸として書かれた章。このKotovの本は読み関連の本だと必ずと言っても登場する。 BeimはKotovの手順は不十分だと主張する。
そもそもKotovが主張した手順というのは以下のようなものだ。
1.読みを始める前に、ありうる全ての手をリストアップしなけれなばならない(候補手 candidate moves)。これによって見過ごしが防げる。
2. 1を終えたら読みを始める。どの手から検討し始めるかについては、プレイヤーの性格やポジションの性質に拠る。最も難しいラインから検討する人もいるかもしれないし、逆の人もいるだろう。
3.上記によって検討されたラインは樹形図のように示される。
4.読みをなすにあたって重要なルールとして、一度検討したラインを再度検討してはならない。
というもの。 そして第二章では、この手順では不十分だとして以下のように問題を指摘して修正する。
第一点については、Kotovは候補手をどのように探すべきか述べていないと批判。そこで、第一点は、「候補手とは、当該ポジションにおいて論理的に見える手やもっともらしく見える手を意味する」と修正すべきとする。とはいえ、「もっともらしい」という点について、経験や直感によるところが大きいとも別の箇所で述べている・・・
第二点については、候補手の1つが複雑過ぎる場合、そのラインはひとまず置いておいて別の簡単なラインから検討すべき。簡単なラインが成立しないときに限り、難しいラインを検討すべきとする。
第三点については、そもそもラインを樹形図のように考えることに実益があるのか不明であるとして、検討したラインを頭の中で樹形図のように整理することは無意味であるとする。
第四点については、各ラインについては原則として一回限りの検討を行うべき、しかし、これはあくまでも手を比較検討している段階で、実際に手を打つ前には読みに漏れがないか最終チェックすべき。また、次に述べるresulting movesの考えを利用する場合には、再度同じラインを検討することはやむを得ないとする。
第四点に関連して、”resulting move“という概念を紹介している。(なお、この点についてあたかもBeimが考えたかのように書かれているが、Improve your chess now!でTisdallが既にこの考えを紹介していたような気がする…)。resulting movesというのは、ある候補手Aを検討してその手が成立しないことを確認した場合、成立しない理由からアイデアを得て別の候補手Bで利用するというもの。
わかりにくいだろうから、例を以下に示す。(Tune your Chess Antennaからの引用例)
また、読む際に一気に最後まで読むのではなく、段階ごとにポジションの評価を加える方法、読み終わった最終局面のポジションの局面評価の重要性、いつ読みをやめるべきか等々の興味深いテーマが扱ってある。特に読みと局面評価は密接不可分であり、いくら長いラインが読めても最終的な局面の評価を加えることができなかったら意味がないということはなるほどと思った。
3.終わりに
タクティクスの章については目新しいところがなかったのは事実だがタクティクスを検討する前の局面評価の重要性の点については意識づけられた。読みについての章は、読みについての1つの手順が示されているという点では参考になった。確かに、Kotovの手順は理想的で実戦的ではない。ただ、Beimの修正も特段変わったものというものでもなく常識的なものではあるが。
結論としては、この本を読むよりも、Improve your chess now! やTune your chess Antenna、Understanding Chess Tacticsを読む方が実益はあると思う。
ということで面倒な読書も終わったので、今度はタクティクスについて考えるところ、何をしたらタクティクスが上達するか等の点について自分なりの考えを書いてみたいと思う。
2013年7月10日水曜日
Simple Chess / Silmanエンドゲーム本
無駄に本を持っている割にまともに読んだ本がほとんどないという状況だが、少しずつちゃんと読むことにし始めた。
1.Simple Chess
まずは、Michael SteanのSimple Chess。 一章あたり20~30ページ×7章と短い本なのですぐに読み終えた。CHESSBASEに自分の要約コメント等を打ち込みながらだったが、とりあえず早く読んで回すのが良いかと考え、大体1日90分ぐらいで一章を読み進めるハイペースで読んだ。
評判通りの良い本だった。弱いポーン(backward, isolated, doubled pawn)が・・・とか、バッド・ビショップが・・・とか、スペース・アドバンテージが・・・とか知っていたが、もう少し理解が深まった。
当たり前の話といえば当たり前の話だが、マイナーピースの優劣、ポーンストラクチャーの優劣等はそれ自体が目的なのではない。 あくまで、中間目的としては駒得、そして最後にメイトするために存在する。このことに改めて気付かされた。
仮に、グッド・ビショップをもっていたり、スペースアドバンテージを有していたとしても、駒得等の具体的結果につながらなかったら意味がない。 それらの要素をどのようにして中間目標である駒得そして最終的なメイトにつなげるのかという点が強調されており、目から鱗。
また、ポーンとピースの関係についても勉強になった。 弱いポーンをもってしまうと、ピースはそれを守るために活動範囲が著しく狭められてしまう。そうすると、相対的にピースの価値が劣ることになり、最終的には相手の攻撃に耐え切れなくなる。 ポーンが弱いということは、ポーンそのものの価値だけではなく、ピースの価値も下げる。ポーンそれ自体で考えてはダメ。これまた目から鱗。
とはいえ、こういう知識は使えなかったら何の意味もない。特に、ハイペースで読んだのでまともに頭に残っていない。 なので繰り返して脊髄に叩きこもうと思う。データベースに既にぶちこんであるので、後は回すのみ。
2.Silmanのエンドゲーム本
Simple Chessを読んだ後に、ついにエンドゲームの勉強を始めてしまった。エンドゲームを勉強することは重要と知りつつも、その面白くなさそう臭からずっと敬遠していた。パンドルフィーニ本も読んだりしたが、その苦行林の修行のごときつまらなさに半分ぐらいで放り出してしまった。
エンドゲーム本として何を使うかについては、いろいろ悩んだが、Jeremy SilmanのSilman's Complete Endgame Courseにした。最大の理由は、レーティングクラス別に順に進めるようになっていること。 例えば、パンドルフィーニ本の場合だと、いきなり地獄のB+N+K vs. Kチェックメイトなんて出してくるが、そんなことはない。(そもそもこの本は、B+N+K vs. Kは「学ぶ必要がない」として紹介されていない。)
難易度順というだけでなく、「実戦に出そうな順」で並べてくれているのも良い。勉強したらすぐに使えそうな知識を得ることができる。さらに、パンドルフィーニ本のように、テクニカル・ポジション(勝ち負けがはっきり決まっている理論的なポジション)だけでなく、実戦的なテクニックも教えてくれる。
例えば、クラスD(レーティング1200-1399)で、Fox in the Chicken Coupなんていうイカガワシイ命名の手法を紹介している。 ボードの右と左にポーンがあったら、左のポーンをプロモーションさせるように見せかけそちらに相手のキングの注意を引きつつ、相手のキングが左のポーンをプロモーションを止めようとしている隙に、右のポーンをプロモーションさせましょう、というもの。 知っていたら使える。
等々、良いことづくめのようだが、欠点としては冗長なことか。 どうでもいい言葉が多い。ユーモアと取れるところもあるが、もっと圧縮して短く書いて欲しい。好みの分かれそうな点。ただ、時たま笑えるところもある。
「RULE : もし相手のポーンがナイトかルークポーンの場合で、自分のキングが相手のポーンの前にあるときは、たとえロボトミー手術の傷が完治してなくても簡単にドローにできる。」
というのには笑ってしまった。
また、クラス別ごとに学ぶという体裁のため、網羅的な知識が得られるわけではないということも欠点の1つかもしれない。しかし、これは、シルマン自身が長年のコーチ経験からこの程度のレーティングの奴だったらこれぐらいでいいだろうという選定のもとで行なっているので、逆に利点といえるかもしれないが。
そんなシルマン本だが、とりあえずBクラス(レーティング1600~1799)まで読み終えた。Bクラスでも既に自分のレーティングより高いであろうと思われるが、まだなんとか理解できた。 この本も、一日90分程度で3日ぐらいで一気に読んだ。 以前にCクラスまで読んでいたので、ほぼBがメインだったが。 CからBまでは全部CHESSBASEのデータベースにぶちこんだので、後はひたすら回すのみ。
1.Simple Chess
まずは、Michael SteanのSimple Chess。 一章あたり20~30ページ×7章と短い本なのですぐに読み終えた。CHESSBASEに自分の要約コメント等を打ち込みながらだったが、とりあえず早く読んで回すのが良いかと考え、大体1日90分ぐらいで一章を読み進めるハイペースで読んだ。
評判通りの良い本だった。弱いポーン(backward, isolated, doubled pawn)が・・・とか、バッド・ビショップが・・・とか、スペース・アドバンテージが・・・とか知っていたが、もう少し理解が深まった。
当たり前の話といえば当たり前の話だが、マイナーピースの優劣、ポーンストラクチャーの優劣等はそれ自体が目的なのではない。 あくまで、中間目的としては駒得、そして最後にメイトするために存在する。このことに改めて気付かされた。
仮に、グッド・ビショップをもっていたり、スペースアドバンテージを有していたとしても、駒得等の具体的結果につながらなかったら意味がない。 それらの要素をどのようにして中間目標である駒得そして最終的なメイトにつなげるのかという点が強調されており、目から鱗。
また、ポーンとピースの関係についても勉強になった。 弱いポーンをもってしまうと、ピースはそれを守るために活動範囲が著しく狭められてしまう。そうすると、相対的にピースの価値が劣ることになり、最終的には相手の攻撃に耐え切れなくなる。 ポーンが弱いということは、ポーンそのものの価値だけではなく、ピースの価値も下げる。ポーンそれ自体で考えてはダメ。これまた目から鱗。
とはいえ、こういう知識は使えなかったら何の意味もない。特に、ハイペースで読んだのでまともに頭に残っていない。 なので繰り返して脊髄に叩きこもうと思う。データベースに既にぶちこんであるので、後は回すのみ。
2.Silmanのエンドゲーム本
Simple Chessを読んだ後に、ついにエンドゲームの勉強を始めてしまった。エンドゲームを勉強することは重要と知りつつも、その面白くなさそう臭からずっと敬遠していた。パンドルフィーニ本も読んだりしたが、その苦行林の修行のごときつまらなさに半分ぐらいで放り出してしまった。
エンドゲーム本として何を使うかについては、いろいろ悩んだが、Jeremy SilmanのSilman's Complete Endgame Courseにした。最大の理由は、レーティングクラス別に順に進めるようになっていること。 例えば、パンドルフィーニ本の場合だと、いきなり地獄のB+N+K vs. Kチェックメイトなんて出してくるが、そんなことはない。(そもそもこの本は、B+N+K vs. Kは「学ぶ必要がない」として紹介されていない。)
難易度順というだけでなく、「実戦に出そうな順」で並べてくれているのも良い。勉強したらすぐに使えそうな知識を得ることができる。さらに、パンドルフィーニ本のように、テクニカル・ポジション(勝ち負けがはっきり決まっている理論的なポジション)だけでなく、実戦的なテクニックも教えてくれる。
例えば、クラスD(レーティング1200-1399)で、Fox in the Chicken Coupなんていうイカガワシイ命名の手法を紹介している。 ボードの右と左にポーンがあったら、左のポーンをプロモーションさせるように見せかけそちらに相手のキングの注意を引きつつ、相手のキングが左のポーンをプロモーションを止めようとしている隙に、右のポーンをプロモーションさせましょう、というもの。 知っていたら使える。
等々、良いことづくめのようだが、欠点としては冗長なことか。 どうでもいい言葉が多い。ユーモアと取れるところもあるが、もっと圧縮して短く書いて欲しい。好みの分かれそうな点。ただ、時たま笑えるところもある。
「RULE : もし相手のポーンがナイトかルークポーンの場合で、自分のキングが相手のポーンの前にあるときは、たとえロボトミー手術の傷が完治してなくても簡単にドローにできる。」
というのには笑ってしまった。
また、クラス別ごとに学ぶという体裁のため、網羅的な知識が得られるわけではないということも欠点の1つかもしれない。しかし、これは、シルマン自身が長年のコーチ経験からこの程度のレーティングの奴だったらこれぐらいでいいだろうという選定のもとで行なっているので、逆に利点といえるかもしれないが。
そんなシルマン本だが、とりあえずBクラス(レーティング1600~1799)まで読み終えた。Bクラスでも既に自分のレーティングより高いであろうと思われるが、まだなんとか理解できた。 この本も、一日90分程度で3日ぐらいで一気に読んだ。 以前にCクラスまで読んでいたので、ほぼBがメインだったが。 CからBまでは全部CHESSBASEのデータベースにぶちこんだので、後はひたすら回すのみ。
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