2013年7月10日水曜日

Simple Chess / Silmanエンドゲーム本

 無駄に本を持っている割にまともに読んだ本がほとんどないという状況だが、少しずつちゃんと読むことにし始めた。

1.Simple Chess
 まずは、Michael SteanのSimple Chess。 一章あたり20~30ページ×7章と短い本なのですぐに読み終えた。CHESSBASEに自分の要約コメント等を打ち込みながらだったが、とりあえず早く読んで回すのが良いかと考え、大体1日90分ぐらいで一章を読み進めるハイペースで読んだ。

 評判通りの良い本だった。弱いポーン(backward, isolated, doubled pawn)が・・・とか、バッド・ビショップが・・・とか、スペース・アドバンテージが・・・とか知っていたが、もう少し理解が深まった。

 当たり前の話といえば当たり前の話だが、マイナーピースの優劣、ポーンストラクチャーの優劣等はそれ自体が目的なのではない。 あくまで、中間目的としては駒得、そして最後にメイトするために存在する。このことに改めて気付かされた。

 仮に、グッド・ビショップをもっていたり、スペースアドバンテージを有していたとしても、駒得等の具体的結果につながらなかったら意味がない。 それらの要素をどのようにして中間目標である駒得そして最終的なメイトにつなげるのかという点が強調されており、目から鱗。

 また、ポーンとピースの関係についても勉強になった。 弱いポーンをもってしまうと、ピースはそれを守るために活動範囲が著しく狭められてしまう。そうすると、相対的にピースの価値が劣ることになり、最終的には相手の攻撃に耐え切れなくなる。 ポーンが弱いということは、ポーンそのものの価値だけではなく、ピースの価値も下げる。ポーンそれ自体で考えてはダメ。これまた目から鱗。

 とはいえ、こういう知識は使えなかったら何の意味もない。特に、ハイペースで読んだのでまともに頭に残っていない。 なので繰り返して脊髄に叩きこもうと思う。データベースに既にぶちこんであるので、後は回すのみ。

2.Silmanのエンドゲーム本
 Simple Chessを読んだ後に、ついにエンドゲームの勉強を始めてしまった。エンドゲームを勉強することは重要と知りつつも、その面白くなさそう臭からずっと敬遠していた。パンドルフィーニ本も読んだりしたが、その苦行林の修行のごときつまらなさに半分ぐらいで放り出してしまった。

 エンドゲーム本として何を使うかについては、いろいろ悩んだが、Jeremy SilmanのSilman's Complete Endgame Courseにした。最大の理由は、レーティングクラス別に順に進めるようになっていること。 例えば、パンドルフィーニ本の場合だと、いきなり地獄のB+N+K vs. Kチェックメイトなんて出してくるが、そんなことはない。(そもそもこの本は、B+N+K vs. Kは「学ぶ必要がない」として紹介されていない。)

 難易度順というだけでなく、「実戦に出そうな順」で並べてくれているのも良い。勉強したらすぐに使えそうな知識を得ることができる。さらに、パンドルフィーニ本のように、テクニカル・ポジション(勝ち負けがはっきり決まっている理論的なポジション)だけでなく、実戦的なテクニックも教えてくれる。

  例えば、クラスD(レーティング1200-1399)で、Fox in the Chicken Coupなんていうイカガワシイ命名の手法を紹介している。 ボードの右と左にポーンがあったら、左のポーンをプロモーションさせるように見せかけそちらに相手のキングの注意を引きつつ、相手のキングが左のポーンをプロモーションを止めようとしている隙に、右のポーンをプロモーションさせましょう、というもの。 知っていたら使える。

 等々、良いことづくめのようだが、欠点としては冗長なことか。 どうでもいい言葉が多い。ユーモアと取れるところもあるが、もっと圧縮して短く書いて欲しい。好みの分かれそうな点。ただ、時たま笑えるところもある。

RULE : もし相手のポーンがナイトかルークポーンの場合で、自分のキングが相手のポーンの前にあるときは、たとえロボトミー手術の傷が完治してなくても簡単にドローにできる。

というのには笑ってしまった。

 また、クラス別ごとに学ぶという体裁のため、網羅的な知識が得られるわけではないということも欠点の1つかもしれない。しかし、これは、シルマン自身が長年のコーチ経験からこの程度のレーティングの奴だったらこれぐらいでいいだろうという選定のもとで行なっているので、逆に利点といえるかもしれないが。

 そんなシルマン本だが、とりあえずBクラス(レーティング1600~1799)まで読み終えた。Bクラスでも既に自分のレーティングより高いであろうと思われるが、まだなんとか理解できた。 この本も、一日90分程度で3日ぐらいで一気に読んだ。 以前にCクラスまで読んでいたので、ほぼBがメインだったが。 CからBまでは全部CHESSBASEのデータベースにぶちこんだので、後はひたすら回すのみ。

2 件のコメント:

  1. こちらでは初めまして、初心者らべりなです。
    実践と勉強、上達のためにはどちらも欠かせない車の両輪ですね。
    私もしっかり読み込んでいこうと思います(日本語の本ばかりですがw)

    Fox in the Chicken Coup、三十六計にいう声東撃西の計そっくりですね。
    エンドゲームで機会があったら決めてみたいですw

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  2. 初コメントありがとうございます。

    両方とも大切なのはわかっていてもなかなか「勉強」の方は手につかないものですね。ブログも始めたので、少し発奮して始めることにしました。

    そういえば、日本語の本といえば、最近は水野優さんがたくさん良書を邦訳されてますよ。
    http://www.amazon.co.jp/s/ref=ntt_athr_dp_sr_2?_encoding=UTF8&field-author=%E6%B0%B4%E9%87%8E%20%E5%84%AA&search-alias=books-jp&sort=relevancerank

    声東撃西の計、知らなかったのですが、調べたらまんまでした! チェスも戦略と戦術のゲームですから、戦との共通点は多そうですね。

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