2014年4月12日土曜日

King's Gambit!

 最近は時間があまりとれないので対局を全然やっていない。 とはいえチェスのことを忘れたわけではなく、新しいオープニングもやってみようかと思っている。 特に今まで無意識的に避けてきたキングズ・ギャンビットといったアグレッシブなオープニングが面白そう。

 先日、注文していたJohn Shawのキングズ・ギャンビットの本が届いた。( なぜか「The Fascinating King's Gambit」という結構大きい本も持っているが、全く読んでいない。) このJohn Shaw本は驚きの680ページ。 執筆に5年も要したらしい。 しばらくはKGの決定版になりそうだ。  King's Gambitの本は長らく発売されていなかったから、気になって買った。

 まだ軽くしか読んでいないが・・・ 内容はというと、「The Refutation of 3.Bc4」なんていう挑戦的なタイトルの章もある。 いわゆるメインライン1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 g5 4.h4に230ページぐらい費やしている。 結論としては、このメインラインはあまり白にとって良くないという結論がくだされているのが興味深い。 そこで、代替的に推されているのが、1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 g5 4.Nc3!?のQuaade Variationという聞いたこともないヴァリエーションだ。

 実際、このヴァリエーションはほとんどプレイされていないようだ。 ただ、読んでみるとこれが面白い。 実際にプレイされた数が少ないためコンピューターによって作られたラインが多くを占めるのだが、非常に複雑で、最善手で指し続けると、おそらく黒にとってとんでもなく指しにくい。 アマチュアではもはや不可能レベル。

 しかも、最初からいきなりアグレッシブなので、20、30手まで覚えなければならないというわけではなく、相手がミスすれば10手台で勝負がついてしまうこともままありそう。  実際、Shaw自身が、著書の中で、「事前準備をしていなかったら、正確に指し続けることはほぼ不可能」なんてことも書いていた。

 確かに大部の本であるが、Quaade Variation含め、自分が使う部分だけ読むのであれば300ページあるかないか。 この程度なら読んでも良いかもしれない。 何より、20、30手まで覚えて、やっと+=なんていう(アマチュアにとって)実りのないオープニングではなく、覚えたら即効で勝ちにつながりそうに思える(もちろん、KGの場合は相手が正確に指し続けたら=にたどり着くことが通常のようだが、普通は無理だろう)。 何より、Quaade Variationなんていうマイナーなラインに対して完全に対策しているのは、マスターでもほとんどいないだろうし、アマチュアならば皆無だろう(もちろん、2....Bc5などを選択すれば避けられるが)。 ということで、サプライズウェポンとしても最適と思える。

 また、白視点だけではなく黒視点でも書かれているので、1...e5を選択する人にもオススメできると思う。


 試しに、実戦で決まったら面白そうなラインを紹介


1 件のコメント:

  1. ひとつの定跡で680ページというのはすごいですね。

    実は最近chess.comのオンライン戦にて
    キングズ・ギャンビットをテーマに対局してます。
    白番黒番同時進行で私は4手目にBc4を、相手の方はh4を選びました。

    Nc3って面白そうですね。今度機会があったら指してみたいです。
    棋譜にあるような窒息メイトが決まったら最高ですね♥

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